理事長 仲瀬裕志
札幌医科大学医学部 消化器内科学講座
この度、安藤 朗前理事長の後任として、一般社団法人日本炎症性腸疾患学会(Japanese Society of Inflammatory Bowel Disease: JSIBD)の理事長を拝命いたしました札幌医科大学医学部 消化器内科学講座の仲瀬裕志です。JSIBDは、2009年4月に炎症性腸疾患(Inflammatory bowel disease: IBD)に特化した研究会として日比紀文先生を代表として立ち上がり、2016年1月に学会に発展し今日に至っております。IBDを専門とする学会の代表を務めさせていただくことを光栄に存じますと共に、歴代理事長が築かれてこられた成果をさらに発展させるという重責に身の引き締まる思いです。理事長として、ここに皆様へのご挨拶とともに、当学会の活動に対する私たちの思いをお伝えしたいと思います。
当学会は、IBDに関する研究、診療、教育の発展を目指して活動しております。クローン病や潰瘍性大腸炎などのIBDは、未だにその原因や治療法について解明されていない部分が多く、多くの患者さんが長期間にわたり症状に悩まされています。私たちは、最新の研究成果を共有し、診療技術の向上を図ることで、これらの難病に苦しむ患者の方々に少しでも貢献できるよう努力しております。毎年開催される学術集会では、国内の専門家が集い、最新の研究成果や臨床経験を発表・共有しています。これらのイベントは、研究者や医療従事者が知識を深め、ネットワークを広げる貴重な機会となっています。また、若手研究者の育成にも力を入れ、次世代のIBD治療を担う人材の発掘と支援を行っています。
学会としては、国内外の関連学会や団体とも連携し、グローバルな視点からIBDに対する総合的なアプローチを推進しています。これにより、日本国内のみならず、世界的なIBD治療の進展に貢献できると確信しています。
私たちの使命は、単に研究や診療の向上にとどまらず、患者の生活の質を向上させることにもあります。IBDの患者さんやそのご家族が直面する日々の課題に対して、正確で最新の情報を提供し、安心して治療を受けられる環境を整えることが重要です。そのために、患者支援プログラムや情報提供活動にも力を入れていく所存です。
今後も、医師、研究者、看護師、薬剤師、その他の医療従事者の皆様と協力し、IBDに関する研究・診療・教育の質をさらに向上させていきたいと考えております。そして、IBDの治療と予防において、新たな知見と革新をもたらすために、全力を尽くしてまいります。
JSIBDの活動が、IBDに苦しむすべての患者さんとそのご家族の希望となり、一日も早く病気が克服される日が来ることを心から願っています。
どうぞよろしくお願い申し上げます。